天然科学研究所訪問記
天然科学研究所訪問記2018.11.1 y.hamada
北海道札幌市にある天然科学研究所。
牧畜の盛んなこの地で天然素材のプラセンタを製造販売している。
プラセンタには多くの栄養素とたんぱく質が含まれ、
免疫作用を高めるといわれている。
天然素材のプラセンタに惚れ込み、
全ての価値を新鮮なうちに製品化することを目指して起業された。
この研究者集団は常識にとらわれない発想で新しい生産方法を編み出し、
次々と新製品を生み出している。
生産設備を採用いただいた縁もあり、
社長様はじめ幹部の方に、起業から現在の営みについてお聴きした。
Boys, be ambitious
マメ科植物の根に寄生する根粒菌に興味を持った少年は共生するという生命の不思議さに感動する。
北海道という自然の持つ力に魅了されたのであろう。青年は帯広畜産大学、北海道大学で自然とは生命とは何かを追求することになる。学究での興味は宇宙で育つ食物にまで及んだ。そして、機能性原料の研究はプラセンタという母と子をつなぐ命そのものにたどり着く。若き日の少年の感動が呼び寄せたのかもしれない。
名は体を表わす、天然科学研究所
- 天然:人力が加わっていない自然のままの状態。
- 科学:一定領域の対象を客観的な方法で系統的に研究する活動。
天然物(プラセンタ)の素材そのものを活かし最大限に有効成分を得るための方法を試行し、研究し、そして製品化する。それが社名の由来、まさに名は体を表わすである。
「何も引くことなく、何も足すことなく」100%天然素材に頑なにこだわる哲学である。
ただ、一見何もしていないかに思えるこの言葉の中にいくつもの「技」が隠されている。
技は人間を自由にする
固定概念にとらわれない
冷凍技術、解凍技術、洗浄技術、乾燥技術、粉砕技術、これらの技を駆使して生み出されるのが非分解・非抽出による100%プラセンタである。
研究者の思いを技の力で形にする。
研究者の特質のひとつは専門領域を拠り所として考え方の軸を持っていることだろう。研究者・技術者の出身は生物学、化学、栄養学、酪農学、獣医学、畜産学と多様性に富んでいる。根拠とするものがあれば、これまでの常識を疑い、人の意見に流されることなく、何が正しく何をやるべきかを自分の目と足と手を使って判断できる。更に組織として多様な根拠を持つことはそれぞれの軸の観点・視点から異なる意見を評価することができる。
こういった研究者気質が今までにない独自製法を編み出し、職人技を生産設備に再現することを可能にした。
ホラクラシーな組織
当初3人で始めた事業はいまや社員60人に増え、生産工場もプラセンタ原料工場、化粧品工場、健康食品工場の3工場が稼動している。各工場に3名のリーダーを据え、スピーディーに製品を作りきる。工程内の課題抽出、対策案検討、解決策実行は各工場のリーダーに任せると同時に常にこれらの課題は各工場間或いは研究者間で情報交換され共有されている。権限委譲が全社員に徹底され、対話を通じた合意形成がなされるホラクラシーな組織を達成されている。
自分のやりたいことと、やらねばならないことが一致しているのであろう。嬉々として仕事に取り組む姿は今の仕事に心から満足していることをうかがわせる。
天然科学研究所株式会社
- ■設立
- 平成22年7月6日
- ■業務内容
- プラセンタを主軸とした天然物の研究・開発
健康食品・化粧品原料に関する研究 - ■本社住所
- 北海道札幌市中央区北10条西24丁目3-1
- ■ホームページ
- http://tennenkagaku.co.jp/
100%プラセンタにこだわった化粧品・健康食品は自社ブランド販売、OEM販売、PB受託製造と展開され、その販売先はアジア圏を中心に世界に広がりつつある。
クレオパトラも楊貴妃も愛用したといわれるプラセンタ、人々の美容と健康の維持を願って日々研究開発を続けている。